高校生の部 最優秀賞 『和と洋のまち佐世保 』

長崎県立佐世保北高等学校1年生 巽 朝葵

 町を見渡せば和風の建物がある。と思えば向こう側には、ハンバーガーやタピオカの店が立ち並んでいる。そんな「和」と「洋」が融合したまちに私は住みたいと思う。
 わたしがこのように考えたのは、中学三年生のときに修学旅行で行った「京都」が忘れられないからだ。京都はすばらしい場所だった。佐世保に比べれば都会で、高いビルが並んでおり、京都駅にはたくさんのお店と人が存在し賑わいを見せた。しかし、少しバスを走らせると道路沿いには城の跡や神社があり、鴨川には川床の光が映る。静かで、どこか懐かしいようなその風景には思わず見入ってしまった。京都は近未来的な面と歴史的な面を持ち合わせるまさに私が住みたいと思うまちだった。

 そこで私は、京都の「二面性」に倣い、佐世保を「和」と「洋」が融合したようなまちにするということを考えた。ではなぜ「和」と「洋」なのか。それには二つの理由がある。
 まず、佐世保にはハウステンボスや佐世保バーガーといった「洋」の要素がすでに備わっているからだ。これらはすでに人気のあるものなので、町おこしに大いに役に立つはずだ。
 次に、米軍基地があり、外国人も多く住んでいるからだ。外国人と協力することで、より再現度の高い海外のものを佐世保に取り入れることができると考える。

 さて、和と洋を実現させるにはどのようなことが必要か。わたしは3つのことを提案する。
 第一に、佐世保市の道の一部の色を塗り替えるということだ。私は佐世保の町を歩くたびに、色が単調で面白みがないと感じている。たしかに、まちの統一感は大切だ。しかし、今の佐世保には観光スポットをつくれるような経済力は望めないだろう。そこで、オランダやスペイン、ポルトガルなどの鮮やかさを佐世保に取り入れることができれば、佐世保の道が映えスポットとなり、SNSで有名になること間違いなしだ。

 第二に、市民文化ホールや市内の神社の中や周りに、飲食店をつくるということだ。さらに、豆乳や世知原茶など、佐世保市の特産品を使用したものを売ることでPR効果も得られる。また、それらを和食にすることで「和」の要素を取り入れられる。無論、神社や市民文化ホールも活性化されるだろう。

 第三に、音楽を流すということだ。音は雰囲気を作るうえで大切な要素だと考える。「洋」のイメージの場所では洋楽を、「和」のイメージの場所では邦楽を流すことで、場の雰囲気が完成するはずだ。様々の年代の曲を流し、誰もが移動すらも楽しめるようにすれば、街に人が集まり賑わうかもしれない。

 佐世保の過疎化を感じる今、佐世保が少しでも賑わって欲しいと願わずにはいられない。ぜひ、和と洋の二面性を持つ佐世保になってもらいたい。

≪審査員による講評(要約)≫

 修学旅行で訪れた京都が「“近未来的な面”と“歴史的な面”の二面性により人々を惹きつけている」という気づきから、「佐世保は”和”と”洋”の二面性を持ったら、もっと賑わうのでは?」と発想したところが素晴らしかったです。佐世保に足りないところについては、学生らしいワクワクさせる発想で具体的な提案があり、素敵な佐世保の未来を想像できました。今後の街づくりに是非活かしたいと感じました。

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